
絵高麗風茶碗
所蔵: 滋賀県立近代美術館
この作品は、卯一がロクロ成形した茶碗に、石黒宗磨先生が絵高麗で絵付けをした作品である。
卯一は14歳で石黒宗磨に弟子入りした。卯一の親は、五条坂で陶器の卸売問屋を営んでいた。当時は、陶工は分業体制で、成形するロクロ師、絵付け師、窯焚き師などの専門職人がおり、その職人を束ねてたのが卸売問屋であった。親は卯一が小学生の頃から、ロクロ師に成ることを夢見てるのに気づき、商業学校に入れたが、学校へは行かず近所のロクロ師の家に行っていた。困った親は、伝手を頼って石黒先生のもとで弟子入りさせることにした。