柿釉壺(清水 卯一 / 1959年)

所蔵: 京都国立近代美術館

1963年4月国立近代美術館京都分館主催「現代日本陶芸の展望展」に招待出品の作品。

ロクロ成形の後直ぐに、壺の胴体に指で力強く線を引いている。柿釉は中国から日本に伝わった釉薬であるが、還元焼成で焼成されていた。還元焼成とは、窯の中が酸素の足りない状態にすることであり、窯の中に絶え間なく薪を入れていくということである。

ところが卯一の柿釉は酸化焼成で焼かれている。卯一は柔らかい肌触りの柿釉が焼けないかと色見本を重ねて、常識外れの、ホタル石やリン酸分の骨灰などを入れて酸化焼成に成功した。還元焼成より酸化焼成の方が焼き上がりが柔らかくなる。

卯一の作品は初期から柿釉まで、白釉、柚子肌釉、油滴釉などは全て酸化焼成で焼成されている。